個人的には、朝ドラのマイフェイバリットは「ごちそうさん」なのですが、
「らんまん」もそれに次ぐ勢いで大好き大好き大好き!です。
いやーー最高だった!
・・・・って、
実はこのアイキャッチのイラスト描いたのが8月10日。
ずっと下書きに入れてたら、ついに最終回を迎えてしまいました。
最後の最後まで、素晴らしかったよ・・・・
ということで、ただの自己満足トーク。
らんまんのキャラについての個別感想も思いを綴ってみました。
好きなポイントを、人物別に
本当に「らんまん」の人物たちがめちゃいいんですよ!
一見「典型的な役割の人物」っぽい感じで登場するのに、それぞれにドラマや奥行きがあって、見ていて一筋縄ではいかないというか。
そういうところが好きなので、キャラ別に、好きなポイントをウザ語りしていきます!
万太郎
wikiで調べてみると、まあまあ「フィクション」な仕上がりだったんですね!という感じの。
神木隆之介くんならではの、あのオーラによるスペシャルラッピングされてるというか。
めちゃめちゃいいところを濃厚ろ過したみたいな、清々しくてまっすぐで爽やか一途BOY。
とにかく、こんなに集中したらまわりが見えなくなるタイプは、言ったらたぶん現実にいたら「まわりにいたらなかなかの厄介なキャラ」なわけですが。本当に神木隆之介くんパワーがすごい。そして「雑草という名の植物はひとつもない!」という名ゼリフ。明治という時代に、人を揺り動かすキラーワードを武器に、ズンズンと人の懐に入って(よくも悪くも)人の心を動かしていく。
最後の図鑑づくりのシーンとかもめちゃ良かったですよね!
「雄一郎くん」との同志っぷりがまた胸熱で好きでした。
竹雄
いやもう前半の途中ぐらいまで(上京してから)本当に、竹雄が主役ですよね!??というぐらいの存在感で。
竹雄の思い、竹雄が本当に万太郎への強い思いがあるからこその芯のぶれない強さとか。
本当にかっこよかったなー。万太郎との距離の近さも、たぶん、志尊淳くんと神木隆之介くんとの距離感の近さなのかなーと思わせる仲の良さの雰囲気がすごく好きで。
綾さんを支える存在としての後半も含めて、
本当に厚みのあるキャラクターだなと。すごく好きでした。
綾さん
序盤の方は、なかなかの衝撃というか。
祖母(松坂慶子)の旧思想「女は穢」「酒蔵には立ち入ってはいけない」というが、まずひりひりするほど前面に出てて。
お寿恵ちゃん
気丈で優しくて前向きでまさに「朝ドラ・スーパーヒロイン」の王道なところも好きは好きだけど、馬琴先生推しでまわりが見えなくなるキャラ設定によって、そういうヒロイン王道さがあっても、スッと嫌味がなくなってくのがすごい。
綾さんに「おすえちゃんもスーパーヒーローじゃろ」て言われたときに、
「え・・・!!・・全然わかってない、だめだ…やっぱり1巻から読んでもらわないと!」と、息巻くシーンとか。本当好き。
剣士を見守る田んぼの草になっていたいという「推し愛」の解像度とかもすごい。
「主人公、槙野万太郎の妻」という役どころにこの味付けは本当にすごい。大好きです。
田邊教授
実は、この人の描き方がいちばん好き。
普通にいえば、出世という社会的地位と権威への固執というわかりやすい悪役ヒールなのだけど、そんな単純ではなくて。奥さん聡子さんとの話、シダが好きというエピソード、そういうのを細やかに差し込んでくる。
明治の時代に日本の学位水準をあげるための尽力がすごく伺えるし、
それゆえの拒絶エピソードの意味もすごく感じる。国民の学のレベルの向上に使命を燃やしている人だけに、学へのこだわりも強いのもその使命の強さゆえだし、政治がうずまく世界を開拓してきているパイオニアでもあり。深みも矛盾もあって。
「頑な」になっていく心理の経過もすごく丁寧に描かれてるのがすごいいい。めちゃいい。
脱線:舞台演劇の脚本家の方が、モブ登場人物への深掘りも深いのかもしれない
好きな作品は、俳優さん軸のときも多いけど、
野木亜紀子先生の作品をはじめ、個人的にはけっこう「脚本」で好みがわかれるので。
らんまんのこの脚本は誰なんだろう・・・?と。
wikiで調べたら「原田育恵さん」という演劇の畑の人みたいでした!
演劇舞台人の役づくり
舞台といえば・・・ちょっと脱線するのですが、
去年あたりから、宝塚にどっぷりハマってまして。
最近はずっと流しっぱなしの宝塚スカイステージ(CSチャンネル)とかでやってる番組を観てても、劇の「お役」に対する解釈の掘り下げについて、やっぱりみなさんすごい研究&勉強されてるのがほんと凄くて。
宝塚歌劇団は、あくまで「生徒」であって「学校」なんだもんなぁ…すごい。
演出の先生・お稽古でみんなが、作品・役を掘り下げて深めていくというトーク(番組)とかめちゃ好き。
(最近、特にお気に入りなのが、宝塚「1789」の瀬央さんの役作り。アルトワ伯への人物分析がすごいし、普段のトークからなりきってて面白い)
そんなこんなを1年どっぷり浸かって、そしてふと思ったこと。
ドラマ・舞台のキャラクター作りの違い
宝塚にハマるまで、演劇の世界は興味がなかったので。
ただ、このタイミングで私が新鮮に思ったこと、というだけに過ぎないのですが。
ドラマや映像作品、そしてマンガとか。
いわゆる「完パケ」された状態になってから世にでていく作品と、
演劇とかライブで作られる作品とでは、「キャラクター」というものの作り方がまず根本として違うのではないかなと思ったこと。
ドラマとか映像作品の場合
ドラマとか、完パケを目指す作品の場合。
作品づくりがそもそも、完パケという一点のゴールに向かっていく作業というか。
登場人物のキャラ設定としても、1点の集約点に向かう・矛盾のがない整合性が優先される感じというか。
ストーリーが主としてあって、それがいちばん引き立つようにキャラが設定されていく。
アドリブの面白さはあるけれど、それも含めて、ひとつひとつの言動がFIXして次に進んでいく。
最近は脇役キャラのサイドストーリーを掘り下げたりも多いけど、でも基本は本筋のストーリーに集約される肉付けのストーリーだったりする。
だから正解があるという前提で、考察がはかどる。
演劇とかの作品の場合
それに対して舞台演劇は、ストーリーや役柄は同じとはいえ、毎日毎日、生身の人間が演じるわけで。
お稽古のときから含めて、毎日毎日、何回も何回も繰り返して、
ストーリーの筋をすべて繰り返す。
いやほんとある意味のタイムリープというか。
何回も繰り返すことで、本人自体にも発見があったり、
むしろキャラに矛盾ができたり新しい分岐が生まれたり解釈が深まったりするというのが日々発生するんじゃないかな、というか。
しかも当たり前だけど、全キャラクターひとりひとりに、その濃度で専任の担当がついている、というか。
いや・・まあ経験したことがないから、ただの想像に過ぎないんだけど。
舞台演劇で長くキャリアを積んだ脚本家は、
もしかしたら、登場人物一人ひとりの人物造形を「ひとつの集約(ラベリング)」で作るのではなく、
むしろ「多様化」させていく制作思考プロセスで作っていってるんじゃないかなーと。
人間だから、矛盾もあるし、
その時々で考え方が違ったり変わったりもするし。
演劇はそういうのがけっこう重視されるというか楽しんでいるのではないかなという気がしているのです。
らんまんの脚本家が舞台演劇の人だと知って、そんなことを思いました。
めっっっっっちゃ、前置き長い!