1月のバスタイム読書の1冊!
この本を知ったきっかけは社会学者の岸政彦さん。
TV番組「100分で名著」でやってた、
「ディスタンクシオン」の回で紹介されてました。
番組の中では、岸政彦さんが自身の社会学的なフィールドワーク活動について触れてたときに、紹介されてた本で。
この本の話の前に、番組が印象深かったのですが、、、
興味を引いたのは、
「社会学」というアプローチと姿勢。
ドラマにしないというのは
一つ あるんですよ。で あと 責めない。
それが「ジャーナリズムとの違い」とのこと。なるほど…
そうなのか…。
逆に言うと「ドラマにするのがジャーナリズム」なのか…とも思ったり。
なるほど…。
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そんなところから「社会学」に興味がわいて、そこで紹介されてた本のうち、
kindleで読めるもの、紙の本しかないものがあったので、そのうちから選んだ1冊でした。
「かわいそう」「たくましい」の先にあるもの
まだ「100分で名著」の続きですが。
番組内で、続けて話されてた内容。
人の生活を描くと「かわいそう」か「たくましい」かのどちらかになりがち。
http://dyna.geo.kyushu-u.ac.jp/~yoshida/japanese/books/2020/kishi20201231.html
ブルデューはその両方を拒否した。
ブルデューは、幻想に逃げず現実を直視することで、希望を持つ。
世の中の仕組みを考えるのが社会学の仕事。ジャーナリズムとはさ違う
自分と他者との関わり……。
私自身が、社交的ではないどころか、
最近はどんどんコミュニケーションの筋力が弱りきって、
社交性がどんどんゼロに近くなってきてるのだけど。
相手に与える自分の印象ばかりが気になって、
相手自身のことを見ていない、見れていない。
だからこそ、
相手を称賛も批判もせず淡々と社会学的アプローチで向き合う、著者の姿勢に惹かれる。
著者の優しい眼差しと感情は溢れるばかりに伝わってくるけど、
しかしそこにあるのは慈悲や糾弾の姿勢ではなくあくまで調査と記録。
社会学というものに興味を持ったのは、
社会学という目的に対して、アプローチに対して、
「自分」「自意識」というものの介在がノイズでしかない。
それらをゼロにして相手に向き合うアプローチなんだな…
というのが本書を読んでると、深く伝わってくる。
内容は、沖縄の夜の街の少女たちの話。
慈悲や糾弾のためのドラマチック仕立てでもなく、
「幻想に逃げず、現実を直視することで」世の中の仕組みを考える、
問い続け、考え続ける、社会学のアプローチな一冊。